?みみ・はな・のどの病気って

咽頭痛

かぜをひいたら「のどが痛い」のは普通の症状です。

そして病院にいくと「アーンして。のどが赤いですね。」とよくいわれます。これは何をしているのでしょう。

のどは鼻の奥から、食道の入り口までの空間ですが、その周囲の壁はブツブツとしており、この1個1個がリンパ組織です。
ブツブツはリンパ濾胞、まとまった形をしているのを扁桃といい、のどの上、中、下に1個ずつあって、すぐにみえるのがよく扁桃腺といわれる口蓋扁桃です。扁桃はアーモンドの意味で、形が似ていることからつけられ、さしずめ日本人なら梅干しというところでしょう。

リンパ組織は異物を見つけ出しこれを排除します。のどは人の免疫反応の最先端に配置された見張り番の役割をはたしています。しばしばここで、侵入者と防御軍の激烈な戦いが起こります。炎症という字は文字どうり燃えるわけですから、熱がでる、赤くなる、腫れる、痛い、だるいなどが免疫反応の結果おこります。

のどをみるというのは免疫反応を目でみて観察しているわけです。炎症の場所、その程度、表面の性状をみますが、ウイルスによる反応所見の場合が多くみられます。免疫が外から入ったウイルスや細菌などの異物を排除する働きは徹底しており、ときにのどは戦場と化します。真っ赤に腫れあがったのどの表面に黄白色の膜がかかり、みるからに痛々しさを誘い、何もそこまでしなしなくてもと思わせるほどの激しさです。本人はたまったものではありません。ときに免疫は宿主本人を攻撃することさえあります。

のどの痛みの原因はかぜばかりとは限りません。後鼻漏、咽頭や頸部の筋緊張、のどの乾燥、潜在的なウイルス感染、悪性腫瘍などの他に原因が不明の場合もあります。