アレルギー性鼻炎

一年を通じて症状があると通年性とよび、季節毎にある場合を季節性とよびます。

前者の代表となる抗原がハウスダストやダニであり、後者の代表がスギで、人々の間に広く浸透し花粉症といえばスギ花粉症をさすほどに知られています。

その他に金沢あたりでは、5月頃のかもがや花粉症、9月頃のよもぎ花粉症がみられます。地域によって原因となる植物に違いがみられます。

診断は血液の検査によって原因となる抗原が確定します。全てのアレルギー性鼻炎の治療に共通する第一番の治療は抗原を回避することです。抗原に出会ってもアレルギー反応を起こさないようにする治療を減感作療法または免疫療法といい、症状を抑える治療が一般的におこなわれる薬物の内服療法です。

その他に物理的に鼻の粘膜の性状をかえてしまう手術療法があり、レーザーなどを用いて粘膜に照射します。鼻の粘膜が腫れた症例には有効ですが、一度の照射で永続的な効果を得るのは困難なようです。

鼻水に対する手術として神経切断術がありますが、手技が高度となり入院を要します。

免疫療法は皮下免疫と舌下免疫の二つがあります。前者は一部の医療機関では実施されていますが、当院では行っておりません。後者はこれから普及すると思われる治療法で、前者に比べリスクが低いといわれますが、今後の成り行きに関心がもたれます。

一般的に行われているのは、薬物療法です。これに関しては、耳鼻咽喉科学会からガイドラインがだされており、これに従っていずれの医療機関においても治療が実施されているものと思われます。薬は人によって効果や副作用が異なり、万能の薬剤はなくまた同じ薬が次には効かなくなることもありえます。

主治医と相談しながら薬剤は選択したほうがいいでしょう。薬剤は大きく分けてくしゃみ、・鼻水型と鼻閉型に分けられ、前者は第2世代坑ヒスタミン型とケミカルメディエーター遊離抑制型に分けられ、後者には坑ロイコトリエンを始めとする種々の薬剤があります。内服薬1から2種類とステロイド噴霧を併用するのが最も一般的な治療法と思われます。

最近、予防投薬が推奨されています。症状が悪化する前に薬を投与し、薬の効果を上げようとするものです。私が以前に行った花粉の累積度数分布から推計したところでは、金沢市では2月1日をスギ花粉症の第一日とするのが適当という結果でしたので、早ければ2月上旬、おおよそ2月の中頃には、予防投薬を開始するのが適当と思われます。

薬剤として、ステロイド噴霧も予防薬として有効であるといわれます。