?みみ・はな・のどの病気って

咳は2回でます。

はじめはウイルス感染による粘膜病変によっておこり、ついで細菌感染によって起こります。

前者は乾いた咳、後者は痰を伴う湿性の咳です。このように咳が続く場合は初めと後では咳の原因が異なる可能性があることを念頭におく必要があります。痰のありなし、痰の性状は診断の重要な要素です。幼児は次から次へとひとつのかぜが治らないうちにまたかぜウイルスに感染しますので、ウイルスによる病変なのか細菌による病変なのか混然として、診断と治療に困難をきたすことがあります。

成人の場合、長引く咳は3つに分類されます。副鼻腔気管支症候群(SBS)、アトピー咳嗽、咳喘息の3つです。耳鼻咽喉科はとくに副鼻腔気管支症候群と関係が密接で、これを正確に診断すると後の2つの診断を導くことが容易となります。膿性痰がでる場合はもちろんですが、透明な痰でも咳をきたすことがあるため、咳と痰がある場合、一度は耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

副鼻腔炎に伴う咳は夜間に多いのは何故でしょう。次のようなことが考えられます。

鼻漏はのどに向かって流れます。そして呑み込んで胃で消化され便とともに排出されます。昼間は立っていますから鼻漏は垂直に流れ落ち、呑み込んでしまいます。夜は寝ていますから体は水平の位置になり、鼻漏も水平の位置にあり、滞留してなかなか流れ落ちていきません。のどに溜った鼻漏を吸い込むことになります。胸に吸い込むと当然のことながら咳がでて、これを排出します。

咳がなかったら鼻漏が胸にたまり、肺炎になってしまいます。咳によって肺炎になることを免れますので、咳も大切です。

一般的に副鼻腔炎の方は午前中に咳もしくは咳払いが多く、これは前夜、胸に吸い込んだ鼻漏をだすための作業をしていると考えられます。